
常滑に行った帰りに半田市にある「新美南吉記念館」に行ってきました。新美南吉さんは半田市出身です。そして「ごんぎつね」舞台でもあります。新美南吉といえば、「ごんぎつね」のイメージが強いですが、実際どんな人かあまり知らなかったので知る良い機会でした。
調べてみると、半田市は以前は愛知県知多郡半田町という地名だったんですね。最近は特に気付くと市になっている町が多いように感じます。
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新美南吉記念館周辺の風景
土地柄、駐車場は広いので休日でも安心して行ける場所です。
木々は茂り、春を感じました。
ごんぎつねのモチーフ作品が並ぶ
このように周りにはごんぎつねをモチーフにした作品や記念碑がありました。
かわいらしい、ごんぎつね。
これはちょっとリアルなやつですね。
近代建築の建物が意外に凄かった
自然に隠れた、馴染んだ建物が見えます。実はこれが新美南吉記念館なのです!
調べてみたところ、新家良浩さんという方が設計したようですね。沢山の応募数からコンペで選ばれただけはありました。建築家って本当にすごいなぁ。
コンクリート打ちっぱなしは安藤忠雄さんが提唱し、流行りに流行りました。コンクリート打ちっぱなしは洗練した美のある建物に見えるだけでなく、コストも安いのが特徴です。
記念館の中へ
入場口へ行くと【新美南吉生誕百年メモリアル展】というのが開催されているではないか。これはラッキー、クッキー、もんじゃ焼き。
入場料は高校生以上は210円です。中学生以下は無料。
建物も独特の設計になっており、楽しめます。
手ぶくろを買いに?
そういえば、僕はすっかり忘れていたのですが『手ぶくろを買いに』という絵本覚えてますか?
『手ぶくろを買いに』も新美南吉さんの作品だということを忘れていたので少しショックでしたが、施設内にある絵本を読んで「あー、あったあった。」と思い出すことができました。
そして、その手ぶくろを買いに来たお店がこの帽子屋さんなんです。
小学生の頃に読み聞かせってあったじゃないですか?『狼と羊』と並び、『手ぶくろを買いに』は定番中の定番ですよね。定評のある作品はいつになっても色褪せない。大人になってから読んでみると、後世に残る作品はそれなりの理由があるのだと感じました。
『ごんぎつね』の世界ってなんなんだろうか
あらすじ
両親のいない小狐ごんは村へ出てきては悪戯ばかりして村人を困らせていた。ある日ごんは兵十が川で魚を捕っているのを見つけ、兵十が捕った魚やウナギを逃すという悪戯をしてしまう。それから十日ほど後、兵十の母親の葬列を見たごんは、あのとき逃がしたウナギは兵十が病気の母親のために用意していたものだと悟り、後悔する。
母を失った兵十に同情したごんは、ウナギを逃がした償いのつもりで、鰯を盗んで兵十の家に投げ込む。翌日、鰯屋に鰯泥棒と間違われて兵十が殴られていた事を知り、ごんは反省する。それからごんは自分の力で償いをはじめる。しかし兵十は毎日届けられる栗や松茸の意味が判らず、知り合いの加助の助言で神様のおかげだと思い込むようになってしまう。それを聞いてごんは寂しくなる。
その翌日、ごんが家に忍び込んだ気配に気づいた兵十は、またいたずらに来たのだと思い、ごんを撃ってしまう。兵十がごんに駆け寄ると土間に、栗が固めて置いてあったのが目に留まり、はじめて、栗や松茸がごんの侘びだったことに気づく。
「ごん、おまえ(おまい)だったのか。いつも、栗をくれたのは。」と問いかける兵十に、ごんは目を閉じたままうなずく。兵十の手から火縄銃が落ち、筒口から青い煙が出ているところで物語が終わる。
ごんぎつねのお話はとても悲しい話だと思いました。
改めて読むと、なんでこんな救いようのない話が教科書に載ったんだろうと思ってしまいました。寧ろ、話の意味すら掴めないぐらいです。しかし「ウナギを盗み、いたずらをしたごんは、後になって兵十が病気の母親のために用意していたものだと悟り、後悔する。」という件については物凄く感銘を受けました。だってキツネが人間の心を理解し、悟るんですよ?こんな発想ができる新美南吉さんは心が豊かすぎます。
そのあと、ごんは兵十の為に尽くすのですが、最後には火縄銃で打たれて死んでしまいます。しかし、この結果からして、人間と動物の関係がわかってきます。
人は言葉を持つが動物は言葉を持たない。しかし、動物にも「心はある」ということが伝えたかったんじゃないかと僕は思いました。つまり、言葉で伝えられたら楽だけど、ごんは行動と心で兵十に謝罪の気持ちを伝えようとしたのです。その結果、兵十に最後には伝えることができた。それが「ごん狐」のお話の核なんじゃないかと。
人は言葉と知能を持つがために、動物の心を理解することは難しいという切なさが残るお話ですが、これだけ考える余地を与える作家さんが凄いともいえますね。
しかしよく考えてみると、ごんぎつねは「全ての物事には意味がある」という世界観なのかも。
もはや定番の記念スタンプ
スタンプって子どもの頃はワクワクした覚えありませんか?
あっ、でも僕はメダル派かも。僕はメダルを集めるのが好きで、記念メダルを沢山集めていました。城でも何でも良かったみたいです(笑)
その影響?もあり、ドラクエの「ちいさなメダル」はコンプリートするまで探す派です。
そういえば、一番思い出に残っているのはドラゴンボールの超サイヤ人3の悟空の限定メダル。たしか映画のやつだったかなぁ。あのカクカクした髪の毛を黒いマジックで辿り落書きをした覚えがあります。要は手に入れさえすれば良かったんですかね。
きつねを探せ!!
どこへ行った!きつね!
おや?足跡を発見!!
新美南吉記念館・・芸が細かいぜ。
和ませてもらい、この辺りで見学終了。
※敢えてきつねと書いたのは、「ごん」なのか「手ぶくろを買いにのきつね」なのかわからなかった為です(笑)
まだ半田にきつねって、いるの?
そういえば、日本人は狐と狸をモチーフとしたものが多いですよね。赤い狐と緑の狸のどん兵衛とか、ジブリの狸のやつとか。でも、僕はキツネを見たことがありません。
もはや伝説なのでは・・?子供の頃はそんなことを思っていた時期もありました。(笑)
でも本当は身近な存在だったらしいです。環境破壊や病などのせいで半田周辺では絶滅したとされていたらしいのですが、どうやらキツネさんは少し前に社会復帰したらしいのです。
新美南吉記念館には狐の剥製が飾ってありますが、本当に狐は犬に近いんですよね。
ほぼ犬なのになんだこの差は。もっと可愛がってあげてもいいんではないか?懐くのかは謎ですけど・・
まとめ:新美南吉さんの世界は表現の欲求で溢れていた。
新美南吉記念館は『ごんぎつね』『手ぶくろを買いに』など、日本人なら誰もがお世話になった新美南吉さんの作品を改めて感じることのできる施設です。
南吉さんは数多くの日記を残していて展示もされているのですが、どれも言葉に強さがありました。でも身体が弱かったそうで、29歳でお亡くなりになられたそうです。
「[font color=”” bgcolor=”” class=”” size=18 bold=1 italic=””]あいつは美人の奥さんも車も家もなんでも持っている。でも俺は自分自身が感じたことを表現できる。だから俺のほうが凄い。[/font]」的なことも書いてありましたし、本当に表現者だと自覚していた新美南吉さんはカッコいいです。
ごんぎつねが17歳の頃の作品という事実に対しては、リスペクトせざるを得ないです。
入場料もお手軽ですし、知多半島周辺に行く際は是非寄ってみることをおすすめします。
新美南吉記念館に行こう
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