DTMをやっていてずっと疑問だったのがサンプリングレートです。

ビットレートは16bitと24bitの二択ですが、サンプリングレートは五種類もあり、44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、192kHzがあり、数字が多くなっていくほど一秒ごとの記録量が多くなり、理論的には高音質とされています。

打ち込みだけでやってる人なんかは外部ノイズを気にする必要がないし、レートを上げる必要性もないので44.1kHzか48kHzに設定するのがベターだと思います。

でも、生録音でトラックを作っていくタイプはそうはいかないんですよ。

というわけで調査してみました。

サンプリングレートはなにがベストなのか?

調査その1、平均

youtubeやもろもろの情報を見ていったところ、48kHzでプロジェクトを作っている人が多かったです。

※16bitと24bitの差は大きいのでここでは24bitがベターとします。

44.1kHzよりは出来れば48kHz。という感じなのでしょう。48kHzは古臭い感じがしますが、たしかにバランスは一番良いのかもしれません。

48kHzならそこまでスペックも必要としないですし、トラック数が増えていっても余裕な感じもします。

44.1kHz〜48kHzは孫悟空が普通の状態のスーパーサイヤ人でセルに戦いを挑むような感じでバランス重視の良い選択肢だと思います!

調査その2、Mr.Children

Mr.Children が創造する“新たな足音(サウンド)”の魅力 ~エンジニア・今井 邦彦さんが語る「REFLECTION」制作秘話

Mr.Childrenは「シフクノオト」から24bit 96kHzでのレコーディングを行なっているようですが、今ではPro tools HDXを駆使し、32bit 96kHzでレコーディングしているようです。

シフクノオトというと2004年リリースなので、かなり早い段階から24bit 96kHzを採用していますね。

さすがはミスチル、といったところでしょうか。

32bit(float) 96kHzは宅録では環境的に現実的ではないですが、24bit 96kHzは今の時代だと比較的現実的な設定だと思います。

※32bit floatはクリップという概念がなく、特殊です。解像度が細かいのでよりダイナミクスを得られますが、扱いが難しい&ファイルサイズが大きくなるのが欠点です。

とはいえ、96kHzはかなり解像度が高いので上級者向けの設定です。

私は機材的には可能だからこそ、96kHzまで上げるか上げないかは相当悩んだところです。

調査その2、海外エンジニア

そして、たまたま目にした情報がこれ。

「ここしばらくは、必ず24bit/88.2kHzでレコーディングしている。96kHzではなく、なぜ88.2kHzでレコーディングするかと言えば、最終的に44.1kHzに変換するからだ。コンピューターの中で音の加工を施していくと、88.2kHzと44.1kHzの差はどんどん縮まってしまう。それでもレコーディングは、88.2kHzでやらないとダメだね。88.2kHzで録らないと最高の音質は得られない。
ICON Facebook より

最終的にCDまたは音楽配信をするということを考えれば、標準規格である16bit 44.1kHzを考慮して88.2kHzで録音するのは一理あると思いました。

88.2kHzは44.1kHzのちょうど二倍で、変換時の差が少ないのだとか。

この記事を読んで妙に納得してしまいました。

結果的にUADのapollo8には88.2kHzの設定があるので選択肢に入れることにしました。

録音する部屋環境を考慮する

録音環境

一番はノイズ問題です。

96kHz、192kHzと上げていくほど記録が細かくなるのでノイズも拾ってしまうので非常に苦労します。

スタジオはそういったことを考慮して設計されているのでノイズを少なく録音できますが、自宅では限界があります。

したがって、「普通の家」では96kHzが限界であると感じました。

録音した後のことも考える

いろいろと実験を繰り返してみたのですが、96kHzは192kHzは高解像度・高音質!!ということはものすごく理解できるのですが、録音したあとの処理のことを考えると現実的ではないと感じました。

まず、プラグインの中には192kHzに対応していないものもありますし、現実的ではないと思います。

でも録音と同じく、大事な作業があることを考慮すべきです。

高音質で録音するということはミックスも難しくなるということ。録音が高音質でもミックスが良くなければすべてが水の泡。

高級食材を素人が料理しても無意味です。

という私もミックスのスキルは下の上ぐらいしかないのですが・・。

  • PCのスペック
  • 録音環境
  • 自分のエンジニアスキル
  • モニター環境
  • 想定するトラック数

私はこの五つを考えて決めるのがベストだと思います。

まとめ

  • 24bit 44.1kHz〜48kHzが色んな意味でベスト
  • PCのスペックや環境が整っていなければ16bit
  • 機材と環境が整っていれば24bit 48kHz〜96kHz
  • 個人的には88.2kHzがおすすめ
  • 初心者は44.1kHzがベスト

88.2kHzは44.1kHzの整数倍だから変換時に一番差が出にくい、ということを否定する意見もちらほら見かけます。

しかし自分で録音してみたところ88.2kHzの質感が思いの外気に入ってしまったので88.2kHzをメインにすることを決めました。プラグインも大体は96kHzまでは対応していますしね。

※ハイレゾとして販売するなら96kHz以上がマスト

アコースティックギターの録音ではサンプリングレートの差が結構大きいんです!

相当悩みましたが、シンプルなアコースティックの歌モノは88.2kHz、トラック数があまりにも多くなりそうなものだったら48kHzで・・という感じでやっていきたいと思います。