Tied to the Moon

ちょうど1年前頃にクオリティ重視!!とにかくクオリティが高いアルバムを紹介してみるというエントリーで、イギリス人のシンガーソングライター、Rachel Sermanni(レイチェル・サーマンニ)のアルバム「Under Mountains」が好きだということを書きました。

シンガーソングライターの音楽しかあまり聴かないのですが、その中でも「Under Mountains」にはピカイチの評価をしていました。

密かにRachel Sermanniの次作に対して期待していたのです。

ところが、昨年の夏にリリースしていたことが発覚。

「何気なく調べたら、Yael Naimが新作「Older」をリリースしていた!」と同じような感じです。(笑)

ちょっとまた残念な心境になったのですが、「まぁ聴けるのであればいいか。」というポジティブな気持ちで聴いてみることにしました。

新作「Tied to the Moon」

「Tied to the Moon」
01- Run
02- Wine Sweet Wine
03 – Old Lady’s Lament
04 – I’ve Got a Girl
05 – Don’t Fade
06 – Tractor
07 – Ferryman
08 – Banks are Broken
09 – Begin
10 – This Love

エレキギターを用いた楽曲にも挑戦し、新たなサウンドが楽しめた

まず驚いたのは一曲目の「Run」。

Martin D-18で引き語りをするような曲しかないというイメージだったのが一変。はじめからパワーコードで刻む曲が耳に飛び込んできました。

トラック2の「Wine Sweet Wine」は過去の暗いアコースティックな曲調は残りつつもエレキギターのバッキングとピアノの掛け合いが激しく、二曲目にふさわしい出来。チェロやピアノはマイク録りされていて部屋の鳴りが楽しめる曲。

トラック3の「Old Lady’s Lament」で一度アコースティックギターメインに回帰するが、トラック4の「I’ve Got a Girl」ではまたズッシリ重いリズム隊とギターが鳴ってくる。

Rachel Sermanni

トラック5の「Don’t Fade」ではRachel Sermanni節が炸裂。
これを待っていた!と思えるようなノスタルジックなサウンド。

しかし、トラック6の「Tractor」ではまた「っぽくない」ビートが炸裂!

以降はマンドリンが気持ち良いトラック7の「Ferryman」、アコースティックな「Banks are Broken」、「Begin」と続き、最後もアルペジオとコーラスに癒される「This Love」で終わりです。

インプレッション

フルアルバムとしては二枚目の「Tied to the Moon」ですが、二枚目とは思えぬ安定感があり、全トラック通して落ち着いて聴くことができる名盤だと思いました。

ファーストに比べると新しさはないものの、ロックサウンドも取り入れた曲も多くあり、挑戦している感じは評価できます。でも、旧作が好きな人はトラック7からがおすすめです。

未だに日本では相変わらずマイナーな存在のRachel Sermanniですが、やはり実力に定評があるようで海外ではよくツアーを行なっているようです。やっぱり来日したら聴きに行ってみたいと思える数少ないシンガーソングライターですねぇ。

こういった歌が聴けるのなら駆けつけるのになぁ・・なんて考えるとつい、日本人はやっぱり響く音楽ができていないのかなぁ?なんて思ってしまいます。お金の問題じゃない。

そんなに好きではない電車通勤が至福のひと時になりました。

こういう才能に触れるとやっぱり・・こういった真面目な音楽を作りたいと思ってしまいます。

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