pro tools 12

音楽制作ソフトの話ですが、最近ちょっと迷うことがありました。

コンピューター上で音楽制作をするにはDAW(音楽制作ソフト)が必要ですが、最近は(使える)ソフトの選択肢が増えています。

Pro Toolsを筆頭に、Cubase、Logicなどが有名ですね。LogicはMacでしか使えなかったりしますが、基本的にはWindowsとMac両方使えるDAWが多いです。

好きなDAWの定義も人それぞれではないでしょうか。

ちなみに僕は『Studio One 3』というDAWを使っています。

これはタイミングの問題で、DAWが必要になったときに「新鋭」として2から3へグレードアップして登場したStudio One 3に惹かれたためです。

プロローグ

軽快な動作が魅力のStudio One 3

Studio one 3

Studio One 3(以下S1)の魅力は何と言っても起動時間の速さ、直感的に使えるインターフェイスです。

これは他のDAWとは一線を画するクオリティで、公式が謳っている「レガシーコード」が存在しないことによる賜物ではないかと思います。

軽快な動作を生み出しているのは、64bitでの動作を前提に開発したことが大きい気がします。

また、よく「音がいい」と言われていますが、これは結局好き嫌いな気がしています。音質が異常にクリアなので、今までの音質に慣れている人が使うと違和感が出てしまうのかもしれません。

Pro Tools 12に興味を持ったワケ

ふと、思ったのがスタジオに持ち込んでハードウェア・ベースでミックスをしてもらったらより音楽的なサウンドに近づけるのでは?ということでした。

今の時代、プラグイン・ベースでも割りといい音にはなるのですが、やはりアウトボードの音の艶には敵いません。ミックスというものは職人的な作業なので、その辺のこともありますが。

スタジオはPro Toolsが基本で、CubaseやLogicがあるスタジオもありますが、逆に言えばPro Toolsがないスタジオは存在しないのですね。

面倒くさくなければオーディオファイル書き出せて持っていけばいい話ですが、自宅でPro Toolsで作ったプロジェクトファイルがそのまま使えるなら越したことはないのでは?ということです。

CubaseやLogicなら可能かもしれませんが、おそらくミックスはPro Toolsで慣れているエンジニアの方が多く、Pro Tools以外ではあまり意味がない気がしました。

Pro Tools導入への壁は厚かった

サブスクリプション制

ProTools | Avid

基本は月額¥3,175のサブスクリプション制になっており、一年間で¥38,100。これは年間契約の場合。

ちなみに、いつでもやめることができる月契約だと¥3,800。

¥38,100を10年間使い続けた場合、¥381,000になる。

AdobeのCreative Cloudと同様、個人としては厳しいものがあります。

永続ライセンス版もあるが…

永続ライセンス版があるので、一安心…かと思いきや、調べていくとPro Toolsの大変さを知ることになりました。

永続ライセンス版の相場は7万円台〜といった感じですが、AAXプラグインの使用権利などを含めると公式では¥117,000もコストがかかる上、「バージョンアップをする権利」を更新する費用もかかってきてしまう。

更新プログラムの為に、12,000円程度のコストが毎年かかります。でもプラグインの使用権利などを含めるともう少し掛かかりますね。

しかも更新プランは必ず、期限内に更新をしなければ失効してしまうので注意しておかなければいけない手間もあるという。。更新プランを失効してしまうと、4万円ほどでまた更新の権利を購入するはめになります。

Pro Tools専用のPCを持っている人であれば、Pro Toolsのバージョンに合わせてOSをキープしておくことも可能でしょうが、色々なことを一台でやっているユーザーにとっては少し嫌な印象しかありません。

OSのアップデートがし辛い状況になってしまうのが目に見えてきます。

ilok2が必須という時代錯誤の仕様

Pro Toolsを起動するにはライセンス認証システムのilok2(USB)が必要です。これにも一つ4千円のコストがかかります。サブスクリプション制であればilok2は必要ないと勝手に思っていた僕は谷底へ落とされる思いでした。

ライセンスの保護の為には確かに理にはかなっているとは思いますが、やはり物理メディア頼りを無くしたい派なのでこれはあり得ないと思いました。

スタジオを運営するということになれば導入もやむを得ない気もしますが、ホームユースでこの面倒くささはヤバイ!何にしてもコストが掛かるDAWってなに…。ジャイアン?

結果、S1でいいや!となりました

S1はアップデートも簡単でOSアップデートにも素早く対応してくれる。(MacであればLogic ProはOS対応は最速だと思います。)

アップデートのコストも不要で、4が登場したとしてもアップグレード割引があれば2万円台で済む。

Youtubeで色々と聴いているとPro Toolsの音の混ざりの良さには惹かれるものがありますし、業界標準というメリットは大きい。でも、そこにコストをかけるぐらいならNeveやAPI系、Universal AudioやManleyなどの間違いないアウトボードを少しずつ揃えていった方が効果的かつ現実的な気がします。

ホームユースではPro Toolsはあり得ないという結論に至ってしまいましたが、いつかはPro Toolsに移行する気持ちであり続けたいなとは思います。憧れは大事!

というわけで、軽く導入を考えてしまって軽く跳ね返されたという話でした。(しかも、最上位のPro Tools HDではないというところが味噌です。)

さすが、業界標準。