miwa

シンガーソングライターといえば、自分で詞を書き歌う人の事を指します。さらに言えば自分で楽器も弾きながら歌う人が多いですね。

miwaさんのドキュメンタリーをたまたまYoutubeで見たのですが、かなり感慨深い内容だったので見続けてしまいました。 その中で、今”売れている”シンガーソングライターの仕事ぶりを拝見することができたのですが、もがいている姿に感動した一方で、違和感を覚えました。

現実はシンガーソングライターといえ、”ソングデザイナー”をやらざるを得ないのが現状なのです。

色々な違和感は絶えず

音楽業界といえば、過去の成功にすがり続けている右肩下がりの業界です。 その音楽業界で活躍するmiwaさんのドキュメンタリーを見て、色々考えたことをまとめてみます。

納期が迫る、過酷な制作の日々

音楽制作

音楽業界の中に所属しているアーティストは予算が割与えられ、制作をします。 一般の会社に所属していても”納期”という言葉があるように、アーティストも納期が存在するのです。

miwaさんのような売れっ子アーティストはドラマなどの楽曲を担当することが多くなり、いついつまでに仕上げてくださいという依頼がきます。 その依頼に応えることができるように、日々メロディーのストックをしているそうです。

つまり、シンガーソングライターといってもリリースする楽曲はそのメロディーを集めてデザインされ、後から歌詞を付けます。 これはほとんどのアーティストがやっていることですが、悪く言えばツギハギの楽曲だということです。

ミスチルなんかも昔からドラマや映画の楽曲を依頼され、台本を読んでから作り始める・・なんてことをやっています。

12時間ぐらい、深夜まで制作をするなんてことはざらにあるそうです。

果たしてそんなことを続けて豊かな音楽は生まれるのかな?という疑問は多々ありますが、勝負(ビジネス)の世界では仕方がないことなのですよね。

とにかく売れなければいけません。

この状況にみた、星野源の強み

星野源

ここ最近で出てきたシンガーソングライターに星野源という方がいらっしゃいます。

星野源さんは俳優や文筆業も行っており、仕事をいくつも持っています。しかし、miwaさんはミュージシャン一本なので音楽をつくることだけが仕事です。つまり、音楽以外に収入源はないのです。

miwaさんが売れているといっても、昔と比べたら雲泥の差だという事実があります。アルバムは売れて10万枚台といったところです。これからは時代が進むにつれてもっと下がっていくでしょう。

それでも印税は一般サラリーマンの2倍ぐらいは貰えるかもしれませんが、売れていると認識されているアーティストにしては少なくなったものです。何故ならメジャーアーティストは一生分は稼がなくてはいけませんから。

TVで見かける売れているアーティスト=余裕で億円稼いでいる

という図式はもう崩壊しています。いきものがかりクラスなら稼いでいるとは思いますが。

アーティストはお給料を事務所から貰えますが、大したことはありません。そして、やめてしまえば収入源は過去の作品の売上やカラオケのみということになります。

しかし、星野源さんは俳優でもやっていけるので一旦音楽活動を止めてしまってもやっていけるはずです。そういえば、たまたま大阪のホテルでテレビをつけたらmiwaの情熱大陸がやっていました。どうやら女優業をやるみたいですね。

とにかく、印税が少なすぎるのです。シンガーソングライターは作詞+作曲+歌唱印税が貰えるのですが、合わせてもアルバム一枚売れたところで新人アーティストの場合、150円ほどだと言われています。

150円×5万枚で750万円ですね。

星野源さんの最新アルバムの売上枚数は7万枚ぐらいらしい。売れている星野源で7万枚となると、今の印税システムではアーティストはしんどいですよね。せめて10%は差し上げてもらいたいです。

このそういった点を踏まえてCDが売れない今の時代のアーティストがメジャーでやるには、ちと厳しいのではないでしょうか。

アーティストは馬車馬のように歌う

音楽業界にはプロデューサーと呼ばれる人たちがいます。小林武史さんや亀田誠治さんが有名ですね。

このプロデューサーと呼ばれる人たちはなにをするかというと、アーティストに関わりながらリリースするまでの間、一緒に作品を作り上げるのです。アーティストによってはプロデューサーがずっと一緒なんて人も多く、miwaもそうです。

新人アーティストに権力はないので、プロデューサーのOKが出ないと終わりません。アーティストはOKが出るまで頑張ることになります。

僕はこんな状況でまともな歌が世に出るとは思えません。

CDが売れていた頃は予算が使える多かったので、制作期間もかなりあったようですが、今は予算が少ないので制作期間は短いのが現状だそうですね。

こうして、創造力を働かせれぬまま作られた曲が日々リリースされていくのです。

まとめ

就職という道も考えながらも、大して活況ではない音楽業界を選んだmiwaさんの勇気と頑張りを見て感動をしました。

しかし、その勇気に見合った活動の仕方・育て方をしなければいずれYUIもそうだったように、限界が来てmiwaも活動休止!!なんてことになりかねません。

シンガーソングライターといえ、”ソングデザイナー”が現状と書きましたが、=アーティスト達は歌いたい楽曲歌えていないということです。それが楽しいというのであればいいのですが、でもそれではシンガーソングライターの意味がありませんし。

ガラパゴスな音楽業界はいずれ沈没していくでしょう。その為には音楽業界の構造を変えるしか、もう道は残されていないのではないでしょうか?

しかしながら、メジャーという大資本でしかなかなかアーティスト活動は本格化できないの現実です。

でもお金とかではなく、もっとアーティストが伸び伸びとやれるような業界になったらいいと思うのですが・・虚像をつくり、苦しんで音楽をつくるというのはもうナンセンスだと思いますね。