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ジブリ最新作『風立ちぬ』を映画館で観てきました。

全然どんな物語なのかよくわからず、というか下調べせずに観に行ったので「なにが出てくるかわからない」新鮮な気持ちで観ることができました。

物語の解剖とレビューをしていきます。

ジブリの新作『風立ちぬ』

風立ちぬ

解説:宮崎駿監督がゼロ戦の設計者・堀越二郎と作家の堀辰雄をモデルに、1930年代の日本で飛行機作りに情熱を傾けた青年の姿を描くアニメ。美しい飛行機を製作したいという夢を抱く青年が成し遂げたゼロ戦の誕生、そして青年と少女との出会いと別れをつづる。主人公の声には『エヴァンゲリオン』シリーズなどの庵野秀明監督を抜てき。ほかに、瀧本美織や西島秀俊、野村萬斎などが声優として参加する。希代の飛行機を作った青年の生きざまと共に、大正から昭和の社会の様子や日本の原風景にも注目。

あらすじ: 大正から昭和にかけての日本。戦争や大震災、世界恐慌による不景気により、世間は閉塞感に覆われていた。航空機の設計者である堀越二郎はイタリア人飛行機製作者カプローニを尊敬し、いつか美しい飛行機を作り上げたいという野心を抱いていた。関東大震災のさなか汽車で出会った菜穂子とある日再会。二人は恋に落ちるが、菜穂子が結核にかかってしまう。

原作『風立ちぬ』の本当の意味とは?

―風立ちぬ、いざ生きめやも。―
この詩句の元ネタは、フランスの詩人バレリーの詩「海辺の墓地」に登場する一節、
「風が起きた。生きようとしなければならない」という意味の原詩で、それを堀辰雄が文語調に翻訳したものだそうです。
風立ちぬ、に続く「いざ生きめやも」とは原詩とは少しニュアンスが異なりますが、「生きようじゃないか」といった意味になります。

調べていたらこんな文に遭遇しました。

何もかも始まったばかりで、「何物かが生まれて来つつあるかのよう」な希望のひとときに、不意にどこからともなく、風が立ったのである。

まさにこの文が一番納得がいったので載せてみました。作家:堀辰雄さんの実体験に基づき書かれた『風立ちぬ』は主人公と恋人が病に蝕まれ、不安と悲しみを乗り越え、希望を見いだしていく物語。

『風立ちぬ』は、自ら病みつつ、より病状の重い婚約者に付添って信州のサナトリウムに入った数か月の経験をふまえて、書かれたものである。

当時の結核患者には、治療薬というものがないため、「大気、安静、栄養」療法が、回復への手引として示されていた。自分のもっている治癒力にすがるだけの、いつも死が間近にある病い―それだけに二人だけでともかくも生きようとする一筋の光の世界を、作者は描きたかったのである。

うんうん。

宮崎駿のドヤッ!!感がものすごくいい

宮崎駿、世界のHAYAO MIYAZAKIといえば、『魔女の宅急便』『天空の城ラピュタ』『もののけ姫』など数えれるけど心の中では数えきれないほどの名作を生み出してきた誰もが知る方ですよね。

実際のところ宮崎さんが伝えたいことを100%描いた物語があるかというと、個人的にはYesとは言えない感じ。微妙なところです。

何故なら必ずある程度子供や大衆向けに作らなければいけないですし、遊び心やファンタジーなどを混ぜなければジブリは成立しないと思うからです。ちなみに毎回どこかに、登場人物の誰かに自分の意思を委ねるということはTVで拝見した事があります。

しかし今回の作品に関しては子供向けの要素が見つかりません。とてもシンプルにできています。

ぱっと観た感じは飛行機を作りたい少年が飛行機を作りたいと勉学に励み、就職してひたすら飛行機を造る日々を送っていく‥という流れではないでしょうか。

ファンタジー要素は夢の中や天変地異の表現ぐらいで、全くのリアリティ溢れる作品です。宮崎駿さんはまさに「今伝えたい」ことを100%伝えたい為にシンプルなこの作品を選んだのではないでしょうか。なんか今までとはインタビューもなんとなく確信に満ちあふれているので個人的にも好きな作品なんでしょうね。

ジブリの飛行機へのこだわり

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ジブリといえば、僕の中で思い浮かぶのは意外に飛行機だったりします。ラピュタの『ゴリアテ』、ナウシカの『メーヴェ』など必ずと言っていいほど飛行機が登場するのがジブリです。

情報によると、宮崎さんの父は航空関係の仕事をしていたらしいので、その影響があるらしい。

かつて人類の夢は「空を飛ぶこと」だったようなので、なかなか感慨深いですよね、飛行機って。夢が溢れている感じ。

実際に観てきたときの写真

DSC_0014風立ちぬ、映画館での様子

風立ちぬ、映画館での様子2

これまでの作品が壁に並べられていたので撮ってきたんですが、見た感じ意外に「こんだけ?」という印象を受けました。ジブリのひとつの作品がどれだけ密度が濃く、国民から定評があったのかを思い知りました。

まさに量より!!

主演:庵野秀明の声に絶対ハマる

庵野秀明さんといえばかつてジブリのスタッフで弟子であり、エヴァンゲリオンの監督でもあります。まさかのキャスティングだと誰もが思ったかもしれませんが僕はめっちゃ好きですね、庵野さんの声。

とても正直な人柄が滲み出ている声で、主人公の純真さがより伝わってきました。

庵野秀明 – Wikipedia


主題歌ユーミンの『ひこうき雲』とのシンクロ感

この作品に欠かせないのがユーミンのデビュー曲、『ひこうき雲』である。

昔の曲なのに物語とマッチしすぎて逆に怖いのです・・。

ユーミンの若い頃の声がとてもいいですね。ちなみに白い坂道とはひこうき雲のこと。

個人的にピアノで弾いてみましたが、とてもシンプルですし、古いと感じさせない良い歌だと思いました。

僕が受け取ったメッセージ

なんだか説明くさくなると嘘っぽくなりそうなので簡潔にまとめてみます。

現代が辛かろうがめんどくさかろうが、過去の積み重ね、心を無にするわけにはいかない。ならば今生きる者が必死で生きねばならない。

ということを感じました。原発事故、食料問題、経済‥なにかと現代は複雑化し、難しい状態にありますが、それでも生きねばならないんだ!!!ということですね。戦闘機に使われようがどうしても飛行機を造りたかった純粋な気持ち、それぐらいの決意が現代人には必要なのかもしれない。

生きろ。ではなく、生きねば。がとても深い。

結局、人間の問題なんだから人間が解決するしかないじゃん!!!ともとれます。

※個人の勝手な見解です。

男ならとりあえず観るべし

堀越二郎さんの生き方、風立ちぬの情景が絡み合った現代に必要な作品だと思います。価値観が少し広がるほどです。

元祖かっこいい男像みたいなものが凝縮されているので単純にジブリとは思わずに観てもいいかもしれませんね。

※原作『風立ちぬ』の著作権は切れており、実は電子書籍で0円で読めます。