ドラマ化もされた『ビブリア古書堂の事件手帖』のコミックス版を読んでみました。僕は漫画が好きなのですぐ読めちゃいました。そういえば、ドラマでは剛力彩芽さんが主演をされていましたね。でも僕はドラマを観ていません。特に理由はありませんが、おそらくピンとこなかったためでしょうね(笑)

『ビブリア古書堂の事件手帖』は鎌倉が舞台です。僕は今のところ鎌倉には2年連続で旅行に行っているぐらい好きなのですが、鎌倉周辺が好きな人に限って意外と見落としがちな部分があるんです。普通の人は江ノ電が好きだとか、開放感が好き、文化的な町が好き・・という感じだと思います。しかし、鎌倉とは実は文豪所縁(ゆかり)の地なのです。僕は鎌倉文学館には一度足を運びましたし、たしかにガイドブックにも古本屋さんがあると載っていましたので知ってはいましたが。そんな鎌倉を舞台にした『ビブリア古書堂の事件手帖』はどんな話なのか、どんなところが良いのかを紹介したいと思います。※あくまでもコミックス版を読んだ感想です。

あらすじ

主人公・五浦大輔(ごうら だいすけ)は大学卒業後も、就職ができずに母から”ぷー輔”と呼ばれる。大輔は小学生の頃の悪戯が原因で、活字を見ると体調が悪くなる「活字恐怖症」である。そんな大輔が、祖母が遺した『漱石全集』を査定してもらうために「ビブリア古書堂」を訪れる。しかし、古書を査定できる店主は怪我を負って入院しており、店番の店主の妹・文香(あやか)に病院まで行くように言われる。そこで店主・篠川栞子(しのかわ しおりこ)に出逢う。

大輔は栞子に祖母の秘密を解いてもらったのを縁に、アルバイトとして「ビブリア古書堂」で働くことになるのだが・・

古書に関して並外れた知識を持つが、極度の人見知りである美貌の古本屋店主・栞子(しおりこ)が、客が持ち込む古書にまつわる謎を解いていく日常の謎系のビブリオミステリー。

古書が導き出す物語

Biblia daisuke

大輔は本当に活字が読めない人間だ。あらすじで書いたように、活字を見ると体調が悪くなる「活字恐怖症」である。それは祖母に関係することなのだが、その理由は是非読んで知ってもらいたい。しかし本来、大輔はとても本に興味のあった子どもであったのです。「読みたくても読めない」といったらわかりやすいかもしれない。そんな大輔が祖母の残した古書を査定に出し、栞子に出会ったことにより、何故か苦手な本に関わっていく・・というのがこの物語の肝である。

栞子は父の死後、お店「ビブリア古書堂」を継いだ。元々、読書が好きなのだが、それと関係なく並外れた古本の知識があるが、とても接客が苦手だ。というか本の事を話すとき以外は極度の人見知りになってしまう。栞子はとても推理力があり、次々と謎を解いていく・・という謎めいた話だが、それぞれに物語があり、その流れが意外に面白かった。

物語の魅力

人には言えない秘密がある?

『ビブリア古書堂の事件手帖』の大事なポイントはまず「秘密」という言葉です。はじめのお話は祖母が遺した『漱石全集』なのですが、祖母が語らなかった秘密が明らかとなります。
この物語の魅力は古書によって人の秘密が明らかになるというところなのでもし読んだ際には、「秘密」というキーワードを頭に入れてから読んでみるといいと思います。

本が巻き起こす、ストーリー性

はっきりいって、古書がどうのこうのという部分はあまり重要ではないと思いました。それよりも大事なところは、本によって”ストーリーが生まれる”という部分なのでしょうか。栞子と大輔が知り合いになるきっかけは祖母の遺した『漱石全集』ですし。

古書の詳しい部分も栞子さんが語るシーンはいくつかあり、知識のない僕でもわかりやすく読むことが出来ました。特に、『時計じかけのオレンジ』の読書感想文のお話は特に好きですね。

僕は小栗旬主演の『時計じかけのオレンジ』の公演を観に行ったことがありまして、思い出深い作品です。ビブリア古書堂の事件手帖で作品の物語を改めて読んだのですが、時計じかけのオレンジとても理にかなったストーリーですね。正直、完全に理解できていたわけではなかったので、ビブリア古書堂の事件手帖を読んでスッキリしました。

独自に解釈をしますが、「人間はいい人になろうとしては、本当にはいい人にはなれない。悪人は悪のままの方が自然でもある。」というところ。非常に難しい部分ではありますが、たしかに説得力がある。スッキリしたのもビブリア古書堂の事件手帖のおかげだ!

大輔と栞子の関係

まず、大輔は栞子に惚れているので、栞子の頼み事は基本的に断ることができません。そして信頼関係が徐々に築かれていくこととなるのですが、よく考えると不思議な関係ですね。読んでみるとわかりますが、非常に栞子は接すると堅いけどふわふわとした雰囲気を持つキャラクターです。
実は栞子が病院にいる訳は事故ではないということ。実は事件に巻き込まれたのです。物語の最後の肝はその辺なのですが、実に面白いところです。

大輔と栞子の関係が深まっていくというところも、ひとつポイントではないでしょうか。

そもそも古書って、何故価値があるの?

人気がある本というのは確かに売れるのですが、古本屋さんにとっては、人気がある分たくさんの人が買って読んでいるということになるので、買いたいという人より売りたいという人が多い本と言う見方になります。via 古本買取の初心者ガイド

なるほど。これはまぁ普通に考えれば分かる話ですね。希少価値というものは数が少ないからこそ出るということか。

古本屋さんにとって価値がある古本というのは、人気作家がまだ売れていないころに出版して、今は絶版になってしまった本、限定発売された本や著者のサインが入っている本などのように希少価値が高いものです。絶版になってしまった本などは、たまに新刊としてまた発売されたりすると、価値が下がってしまいますが、限定発売の本などは増刷も再販もされないので、いつになっても価値が下がりません。via 古本買取の初心者ガイド

ほー。人気作家がまだ売れていない頃に出版したものが価値があるというのは納得できますね。まぁ絶版はもう作られることがない本なのですから、価値が高騰するのは当たり前ですが。
つまり、「増刷も再販もされない」というものが価値が高いということがわかりました。

まとめ

  • 鎌倉が舞台である
  • 本の知識がなくても楽しめる
  • コミックスの大輔はどちらかというと身体が大きくスポーツマンタイプ
  • 古書で生まれる話のつながりが面白い
  • 漫画の栞子さんは剛力さんとは雰囲気が全く違う
  • 小説が苦手な方にはまずはコミックス版がおすすめ

※また、コミックス版には二種類あるようです。

紹介した本