村上春樹ノーベル賞

ついに来ました。10月の風物詩。

10月9日、ノーベル文学賞が発表され、フランスのパトリック・モディアノ氏が受賞しました。ここ数年、何度も有力候補に挙がっている日本の村上春樹氏の受賞はなりませんでした。

以下がパトリック・モディアノさんの経歴。

パトリック・モディアノ(Patrick Modiano)小説家。1968年、La Place de l’étoileでデビュー。1978年、ゴンクール賞(Rue des boutiques obscures)、1996年、フランス文学大賞(全作品)、2011年、BNF(フランス国立図書館)賞(全作品)等々。『生きている最も偉大なフランス作家』とまで称される高い評価を不動のものとすると同時に、簡潔な文体と繊細な時間感覚で独特のミステリアスな作品世界を築き、現代フランス最高の人気を保つベストセラー作家でもある。ルイ・マル『ルシアンの青春』の共同脚本執筆者、パトリス・ルコント『イヴォンヌの香り』の原作者として、フランス映画ファンにも親しみ深い。1945年生まれ。

(パトリック・モディアノ Patrick Modiano)

村上春樹は何故ノーベル賞を受賞できない?

Nobel Prize for Legalizing Marijuana
Nobel Prize for Legalizing Marijuana / KAZVorpal

村上春樹は何故ノーベル賞を受賞できない理由を、具体的な理由を調べてみました。

年齢がまだ若い

色々読み漁っていたところ、どうやらノーベル文学賞は70歳ぐらいの方の受賞が多いらしい。パトリック・モディアノさんの年齢は69歳 (1945年7月30日)と、やはり”70歳”ぐらいの作家さんが今年も受賞したことになります。

村上春樹さんは65歳と年齢はそこそこいっているものの、世界的に見ればまだ若いと見られがちなのではという理由が挙げられます。

何故なら、ノーベル賞は生きている人しか受賞することができません。(受賞資格については、受賞決定発表の時点で本人が生存していることが条件としています。)

それを考えれば、できるだけ高齢の人間を選ぶというのは当然の結果なのかもしれません。文学賞というものはしっかりとした理由がないものですから、そういうことにもなりますよね。評価されている作家さんは沢山いるのですから。それに比べ、科学などの分野では【その人が成し遂げた】ことが評価されますから、年齢はさほど関係はありません。

政治性や文学性に欠ける?

Politics 11
Politics 11 / eriksphotoos

村上さんの作品をすべて読んだわけではありませんが、平均的にいえば若者の話が繰り広げられています。ノーベル賞という観点からみれば、村上春樹の作品には政治性が足りないのかもしれない。

色んな意見をまとめてみました。

”昨今のノーベル文学賞には政治的要素が強い。独裁者やアパルトヘイト、共産主義下にある人たちが発信するストーリーが説得力をもつ。それを考えると村上春樹はそれこそ、ずっと政治的カラーを排除した作風で知られていた。”
(Books and the City)

”氏の代表作にいわゆる文学作品的な匂いに満ちあふれているかと言えばノーかなと。村上春樹ファンからの叱責を恐れずに言ってしまうなら、氏はどうしても文学者とは程遠いところに位置し流行作家の域を脱していないという気がするのです。”
(BLOGS)

”カタルニア国際賞の受賞スピーチにおける「日本人は核に対して『NO』を叫ぶ続けるべきだった。」というような「社会的発言」、あるいは「壁と卵」と題するエレサレム賞受賞講演を、何故日本国内で日常的に行わないのか、文学が国民と共にある(その国民の精神的な抑圧からの解放を主眼とする)ものだとすれば、世界でいくら数多くの読者を得ていたとしても、国外で単発的に行うそのスピーチはその内容に間違いがなかったとしてもある種のパフォーマンスにみえるのではないか”
(黒古一夫BLOG)

総じて政治性の欠如、流行作家から抜け出せていない(芸術性に欠ける)といった意見が。どうやらノーベル賞というものは芸術性や政治性、影響力といったものが必要なようです。

ノーベル賞はあくまでもノーベル賞ですから、好き嫌いといった観点でみることはできません。ノーベル賞の基準でみれば、まだ受賞するタイミングではないということかもしれませんね。

来年をまた、待ちましょう。

もはや風物詩。もはや日本人にとって、これがノーベル賞の楽しみのひとつになっているかもしれません。

やれやれ。

村上春樹風にノーベル賞の話をして終わります

「どうせノーベル賞の話だろう」とためしに僕は言ってみた。
言うべきではなかったのだ。受話器が氷河のように冷たくなった。
「なぜ知ってるんだ?」と相棒が言った。
とにかく、そのようにしてノーベル賞をめぐる話が始まった。
そして、相棒は言った。
「完璧なノーベル賞などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」

【追記】※この文は村上春樹風に語るスレジェネレータを参考に作りました。

そして、ファンによると、デビュー作『風の歌を聴け』を読まないと村上春樹は語っちゃいけないそうです。